「平成30年7月豪雨」を現地調査

広島県で発生した土石流災害の調査を実施

山本晴彦教授が、2018年7月6~7日にかけて広島県で発生した土砂災害の調査を、10日~11日に実施しました。広島県では、広島市安佐北区で2014年8月20日に秋雨前線による集中豪雨に伴い大規模な土石流災害が発生し、74名の尊い命が失われています。今回は雨量強度の比較的弱い長雨型豪雨でしたが、花崗岩が風化した「まさ土」が広島市安芸区、坂町、呉市、東広島市、三原市などで崩壊して住宅地を襲い、22日現在で広島県だけでも107名の死者が確認されています。坂町の小屋浦地区では、中心を流れる天地川の上流で土石流が発生し、砂防ダムも決壊して16日現在で15名の犠牲者が生じています。本地区では、1907年にも水害により約40名もの人命が失われ、石碑が建立されて災害の伝承を行っていた矢先でした。安芸区矢野地区は、矢野川に沿って高度経済成長期に開発が進んだ地域で、ここでも多くの犠牲者が発生しました。中小河川の渓流沿い点在する農地等が住宅地に転用されて、土石流被害が拡大する状況が各地で確認されました。災害リスクを地域住民が正確に理解し、防災情報が発令される前に自主的に避難する日頃からの訓練のさらなる徹底が求められています。

 

倉敷市真備地区の洪水災害の調査を実施

山本晴彦教授が、2018年7月6~7日にかけて岡山県倉敷市の真備地区(旧真備町)で発生した洪水災害の調査を20日に実施しました。一級河川の高梁川と支流の二級河川の小田川が合流する「川辺地区」は江戸時代から旧山陽道の宿場町として栄えてきましたが、幾度となく水害に見舞われてきました。今回の梅雨前線の豪雨により、小田川とその支流で堤防が決壊し、低平地に濁流が流れ込み、旧真備町の30%に相当する約1,200haが浸水しました。この地域は、元々は水田地帯でしたが、政令都市の岡山市や中核市の倉敷市のベッドタウンとして、水田を宅地に転用する「農地転用(通称:農転)」が進められてきました。この地域の川辺小学校には、昭和51(1976)年9月13日の台風17号による水害を伝える石碑(写真)も残っていますが、それを大きく超えて校舎1階部分が水没する被害に見舞われました。さらに、倉敷市役所の真備支所を始め、玉島消防署真備分署、真備健康福祉館、真備図書館、真備ふるさと歴史館などの公共施設、大型商業店舗の多くも1階が水没し、機能が完全に停止しました。倉敷市では、浸水想定区域の住民には洪水ハザードマップに(小田川流域で「100年に1度程度」とされる「48時間で225mm」の雨が降った場合、地域の大半が「2階の軒下以上まで浸水する」(5.0m以上)と想定)より周知を行っていましたが、多くの住民が避難のタイミングを誤って住宅に取り残されて2階に避難し、ボートで救助される方も多数に上りました。現地調査から最大浸水が2階軒下の545cmに達した住宅も見受けられました。本地域は、昔から幾度も水害に見舞われている水害常襲地です。現在も農地を転用して多くの住宅が建設中であり、本水害により改めて浸水想定区域における宅地開発の課題が浮き彫りになりました。泥水が引いた水田では、その後の記録的な猛暑により干害が発生しており、農業被害の拡大が懸念されています。

 

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